夏日と高齢者
永遠に続くかと思っていた2024年の暑い暑い夏が、やっと終わった。10月になってずいぶん過ごしやすくなったと思っていたら、25度を超す日が14日もあったそうだ。
25度を超すと、天気予報では「今日も夏日、日中は汗ばむでしょう」などと暑さを強調するが、35度超えの日々を経験した身にとっては、25度はまったく暑くない。むしろ、過ごしやすいくらいだ。
この「夏日」という言い方は現在の気候に合っていないのではないか。夏日は30度から、35度からが真夏日と、5度ずつ名称を繰り上げたほうが、体感的にはしっくりくるのにと感じた。
それと同じことを、「高齢者」という名称にも感じた。自分が65歳を迎えてみて、驚いた。役所から介護保険被保険者証が送られてきたのだ。65歳とは介護保険を受ける準備が整う年齢なのだ。
しかし、同年代に目をやると、高齢者と呼ぶには早すぎる元気な集団だ。私が若かったころ見ていた65歳とは、ずいぶん違う。こちらも5歳繰り上げて、70から高齢者と呼んでもいいのではないか。
夏日と聞けば高齢者の定義が、高齢者と聞けば夏日の定義が、気になるのだった。
ところが、この夏の暑さで、農作物の収穫量や品質に大きな影響が出て、 漁獲量や漁場にも変化があったそうだ 。地球温暖化に関する会議では、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑えることが世界の目標である。5度の違いが自然に与えるダメージはとてつもなく大きく、25度が夏日という感覚は重要のようだ。
そして、高齢者ではないはずと胸を張っている私だが、ときどき足腰に走る痺れや痛みと、なんとか折り合いを付けているのが現状だ。周囲を見ても、腰痛に悩まされたり、病気にかかったりと、65年を超えて頑張ってきた体には何かしらの影響が出る人が増えている。気ばかり若いつもりでも、その年数にはそれだけの意味があるようだ。
5度5年繰り上げ説は、残念ながら取り下げましょうか。