エッセイを本にまとめる(1)

エッセイを書いていると言うと、雑誌などに書いているのですか?と聞かれることがあります。残念ながら、原稿を書いてお金をもらえるエッセイストはほんの一握りです。
私の読者は、エッセイ教室やグループの仲間だけです。でも、そういう読者がいるから書き続けることができました。書くことも好きだったのでしょうが。

そうやって書いてきて25年。作品は私のパソコンの中にたくさんたまっています。年齢的に大きな区切りを迎え、これを機に本にまとめてみようかという考えがむくむくと頭をもたげてきました。

ちなみに、エッセイ仲間がみな本にまとめているかというと、そうでもありません。それぞれです。何冊も出す人もいれば、1冊でとりあえず目標達成という人もいますし、まったく考えていないという人もたくさんいます。

さて、本にするとなると、どの作品を使うか、どのようにまとめるかが問題となってきます。パソコンの「エッセイ」というファイルを開け、1つずつ読みながら分類していくと、以下のように分かれました。
・「わたし」について ・家族について ・両親について
・エッセイとの関わり ・転勤したアメリカでのくらし
・旅行  ・その他いろいろ ・本には使えない

その時々の気持ちを、特にテーマも定めずに書いてきたので、「その他いろいろ」としか分類できない作品がたくさんありました。また、不特定多数の他人が読むことを考えると、家族のプライバシーにかかわる内容だったり、その時の勢いで書き散らしたものだったりの「本には使えない」作品も数多くありました。

そして、本に載せて残しておきたいと思う作品の多くが「私自身・家族・両親」に関してであることに気づきました。本の読者は、有名人でもない私のことや家族のことを読みたいだろうか。 もちろん、共感を得られるように、社会的な問題なども織り込んで書いたつもりですが。 本にするとなると、仲間内で読み合っていた時とは違う心配が浮上してきます。

出版の時期を決めていなかったので、のんびり分類していたら、それだけで何ヵ月もかかってしまいました。これではいけない。

幸せなことに、大学時代の友人が出版社に勤めていて、自費出版の面倒をみてくれることになっています。本に載せる作品はまだ考え中ですが、今後の進め方を相談しに行くことにしました。

その時のようすは、次回の「今月の話題-エッセイを本にまとめる(2)」にてお伝えします。