五月の連休が明けて

 朝食前の散歩が日課となっている。
 陽気がよくなり半袖で歩くこともあるが、今朝は少々涼やかな風が吹いていて、長袖のシャツを羽織って出た。
 見上げると、青い空には白い雲がうっすらと線を引くように伸びている。いつもと変わらぬ朝だ。現在の人間界を取り巻く厳しい状況を微塵も感じさせない。
 私の住むマンションの入り口にはツツジの植え込みがある。日当たりがよく、緑の葉を隠すほどたくさんの花が咲き誇っている。その根元に花が20個ほど落ちていた。花びらではなく、咲いている状態のまま首からもがれたように、地面に転がっていた。先日のニュース映像が頭をよぎる。観光客の「密」を避けるために、刈り取られたチューリップや藤の花。
 いやいや、これは昨夜の雷雨のせいだ。カーテンの隙間から漏れ光る稲妻に続いて雷鳴がとどろき、しばらくの間、窓を打つ雨音もうるさいほどだったから。
 散歩で外に出るついでに捨てようと、リサイクル用プラスティックを入れた袋を持ってきた。マンションのごみ集積用の建物に入ると、中は満杯だ。このステイホーム週間に、多くの家で整理に励んだのだろう。衣類や紙類を入れた袋が目につく。私も同じ。家に籠るこの時期をせめて有意義に使おうと、整理の日々だ。家の中にまだ置いてある紙類のごみは、一度ごみ収集が来て、集積所内に余裕が生まれてから出すことにしよう。
 いつもどおり、右手に歩き出す。5、6分進めばウグイスの声が聞こえてきて私の心を明るくしてくれるのに、今朝は聞こえてこない。これまでもそういう朝はたまにあったが、心なしか他の鳥のさえずりも少ない。カラスだけは元気だ。
 昨夜の雷雨で、小さい鳥たちはどこかに避難したのかもしれない。吹き飛ばされていなければいいが。自然界もまた厳しく、生き抜くためには知恵も行動も必要なのだろう。
 昨日で連休は終わり、緊急事態宣言は延長されて今月末まで続く。

(2020年5月7日記)