エッセイグループが長く続く理由
2024年になって、1回目の投稿です。このエッセイ工房は2018年11月に立ち上げましたので、6年目に突入です。今年もよろしくお願いします。
昨年暮れに、エッセイ仲間の一人から作品集が送られてきました。彼女の同級生が共にエッセイを書きたいと集まって20年、今回が第5号です。毎号読ませてもらっているので、メンバー5人の名前をいつの間にか覚えてしまい、エッセイ上だけですが知り合いのような気持ちで読んでいます。
さっそくページを繰って、読み進めました。メンバーそれぞれに得意分野があり、話題が豊富で内容も濃く、読みごたえのある作品ばかりです。また、コロナ禍を経ての作品集なので、その時期の過ごし方も多様に取り上げられていて、興味深く読みました。
このグループの作品集を見せてもらうたびに、これこそ理想のエッセイグループだなと思います。というのも、このように「エッセイを書いてみたい」と自主的に集まった少人数の仲間同士で長く続けていくのは、けっこう難しいことなのです。それぞれのライフステージにおいて、仕事が忙しい時期、家族に時間を割かなくてはならない時期もあります。自身の健康問題を優先すべき場合もあるでしょうし、書く意欲を失うこともあります。カルチャースクールであれば、誰かが抜けた後に新しい人が入ってきますが、仲間同士のグループですと、1人、2人と抜けて、そのうちに消滅という事態にもなりかねません。
このグループが長く続いている秘訣は何なのでしょうか。作品集のあとがきに、これまでの活動のようすが書かれていたので、勝手に分析してみました。
・基本的には、数カ月に一度の合評会。コロナ禍以降はオンラインで。1年間休止していたこともある。作品集はほぼ5年に1回のペース。無理ないスケジュールがよかったのでしょうか。
・遠くに住んでいた仲間を訪ねたり、エッセイ合宿をしたり。合宿は、おしゃべり時間が半分という、みんなで楽しむ時間でもあったようです。
・同級生ではあるけれど、一貫校のどこかでの接点があるだけで、エッセイを読み合うなかで親しくなっていった。昔からの仲良しグループですと、なれ合いになってしまう可能性があったかもしれません。
などとあれこれ考えてみましたが、作品集全体から伝わってきたのは、「エッセイを書くのが楽しい」という書き手の思いです。継続の理由は、そこに尽きるのでしょう、きっと。
また、こういう仲間をもつ幸せをたがいに感じていることも伝わってきました。
このグループに触発されて、私も思いを新たにしました。2024年もまた、エッセイを書き、エッセイを読み、楽しくエッセイに関わっていこう。