「ギャップ」というテーマで何を書きますか?
毎月のエッセイ教室では、3回に2回はテーマを元に作品を書いてもらっています。「テーマがないと、何を書いていいか悩む」「書くとっかかりが欲しいので、テーマを出してほしい」という声が多く、とはいえ、自由な発想でも書いてほしいいので、2回はテーマで、1回は自由題でという形に落ち着いています。
書きやすいテーマを出したいのですが、実を言うと、テーマを考えるのはとても難しい。万人の題材につながるテーマは、なかなか見つかりません。「今月のテーマはむずかしかったわ」という声を聞くと、申し訳ない思いになります。
その分、テーマをうまく使いこなした、いろいろな切り口の作品が生まれると、とてもうれしい。最近そう感じたのは、「ギャップ」というテーマです。
意見・考え方・イメージの隔たりや食い違い。親子間、世代間、友達との間にもギャップはあります。本来の意味として、割れ目やすきまも題材になりそうです。書きやすいのではないかと思って、このテーマを出しました。
さて、実際には以下のような作品が出ました。私が勝手に分類してみました。
〇自分の中に存在するギャップ
・二面性
・理想と現実
・鏡に映る自分と、心の中で思い描いている自分
・若い頃と現在の体力
・エッセイ教室で学ぶ自分と、隣人の話を聞く時の自分
〇抱いていたイメージと実際のギャップ
・隣人と実際に会話したら
・子どもの結婚相手の母親と旅行したら
・ホテルのスイートルームにあったバスマットが大衆ブランドだった
〇世代間のギャップ
・結婚に対する考え方
・若い世代の言葉
・親世代の言葉
〇地域間のギャップ
・結婚相手の地元の風習
〇考え方のギャップ
・ファッションについて
〇時間の経過によるギャップ
・50年後の小学校同窓会ではじめはギャップを感じたが
〇新しいものと既存のものとのギャップ
・エアビー(民泊)とホテル
〇サービス業の対応の違い
・客への対応がまったく違う2人に遭遇
予想以上のさまざまなギャップがありました。ギャップは「違い」「差」とも捉えることができるので、身の回りで題材を見つけやすかったようです。そして、これらのギャップを切り口に話は広がり、どれも読み応えのある作品に仕上がっていました。ちなみに、割れ目やすきまを題材にした作品はありませんでした。
いろいろな切り口で書ける、このようなテーマをまた発掘したいものです。