エッセイを書く理由 ~心のアルバム~
4月になりました。何か新しいことにチャレンジしたくなる季節です。
エッセイに興味のある方、カルチャースクールのエッセイ教室も、4月から新規講座を開講しますので、ぜひ一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
エッセイを書きたいと思う理由は何なのでしょう。何がきっかけだったでしょうか。
・文章を書くのが好きで、エッセイなら自分も書けそうな気がした
という方が多いようです。そのほかには、
・これまでの経験を書き留めておきたい
・親のことを書き残しておきたい
・PTAや仕事で、文章を書く必要があるので、書き方を習いたい
さらには
・小説が目標だが、それまでの腕慣らしのため
・将来ライターをめざしている
という方もいらっしゃいました。
何かきっかけがあり、エッセイを書きたいと思っていても、日々の忙しさに流され、書くという行動に移すことは難しい。「締切り」がないとなかなか書けないものです。
ところが、エッセイ教室に入ると、毎回締切りが待っています。書かざるを得ない状況下におかれます。仲間もいますから、自分だけ書いて行かないわけにはいかない。いつの間にか、作品がたまり、さらにおもしろさを知る、といういい循環に入っていきます。
さて、私自身がエッセイを書きたいと思った理由をお話しましょう。
夫の転勤のため、アメリカで6年間過ごしました。アルバムは、楽しく笑っている写真で埋め尽くされています。プールや公園、学校など、小さかった子どもたちとの普段の生活、クリスマスやハロイーンの外国ならではの行事、旅行もしました。それらの写真がたくさん貼ってあり、アルバムをめくっていると、その幸せな情景だけがスポットライトに照らされて、つい忘れてしまいます。楽しいだけではなかったことを。
住んでいる場所は先進国、生活していく上での不便や心配はありませんでした。しかし、異国で子育てをしながら暮らす6年の間には、いろいろな思いがあったのも事実です。
自分が本当に伝えたい内容を英語で言えず、常にもどかしさが付きまとっていた。挨拶するアメリカ人の知り合いはできても、心から語り合える相手にはなかなか巡り合えなかった。息子のクラスメートの母親が「日本人」を嫌っていると、その態度から察せられて、悲しい思いもした。クリスマスを楽しむ自分の、宗教に対する無頓着ぶりが恥ずかしかった 。
そのときは気に病んだり考え込んだりしましたが、日本に帰って生活するうちに、どんどん消え去ってしまいそうでした。それらの思いを文章にして、写真のアルバムからは見えてこない、心のアルバムを残しておきたかったのです。
そんな強い思いがあったにも関わらず、日々の忙しさにかまけ、あっという間に時は過ぎていきました。どう書いていいのかもわかりませんでした。このままでは、本当に忘れ去ってしまう。そう思って、新聞広告で見つけたカルチャースクールのエッセイ教室に足を踏み入れたのです。
はたして、それから25年。ずっとエッセイを書き続けています。心のアルバムにはたくさんの思いが綴られています。
エッセイ教室にご興味のある方へ。4月24日(水)から開講します。
目黒学園カルチャースクール「エッセイを書きたいあなたに」
第4水曜日 13:00 ~ 14:30
第4水曜日 19:00 ~ 20:30
4月に限らず途中月からでも参加できますので、どうぞ目黒学園カルチャースクールにお問い合わせください。