どうする? 年賀状

 年が明けてから会った友人に言われた。

「年賀状から家族の写真がなくなっちゃったのね。楽しみにしてたのに、残念だわ~」

 今年のわが家の年賀状は、差出人から2人の息子の名前を消し、夫婦の名前だけにした。29歳と25歳、すでに家を出て自分の力で生きている。そろそろ、子離れする頃だねと、夫と相談して決めた。

 それまでは、家族の写真も載せていた。小さな小さな写真5枚ほどを横並びにレイアウト。「小さすぎて、顔が全然見えないわ」とよく言われたが、それでいい。それがネライ。かわいい幼少時代は過ぎていたので、こんな家族ですとなんとなく伝わればいいと思っていた。そして、やはり小さな文字でコメントを付けて、わが家の1年を知ってもらう。15年ほど、このスタイルを続けていた。

 毎年12月に入って年賀状を作成するときに、1年を振り返る。旅行や入学・卒業などがあれば写真に悩む必要はないが、毎年行事があるとも限らない。ある年、苦肉の策で、並んだ家族4人を後ろから撮った写真に、「わが家の背比べ」とコメントを付けた。この企画は意外と好評だった。

 息子たちは特に何も言わないが、そろそろもう勘弁して、という心境に違いない。また、揃って出掛けることも少なくなり、コレという写真もあまりない。期待してくれていた友人の言葉に心は揺れたが、子どもたちはもう巣立ったのだ。来年からも家族写真が復活することはない。

 1つだけ、今年も変わらなかったものがある。次男が描く干支の絵だ。それだけは、今年も描いてもらった。毎年少しずつ大人っぽくなっていく絵は私の宝物。今年はまだお小遣いで釣ることができたが、いつまで描いてくれるだろうか。そのうち、12年ごとに絵を使い回すことになるかもしれない。

このエッセイを書いてから3年たちました。干支の絵はまだ描いてもらってます。