こんなプロジェクトを計画しています
昨年のことです。書店で、『とあるひととき』(平凡社 2022年5月)という本に目が留まりました。副題に「作家の朝、夕暮れ、午後十一時」とあり、三浦しをん、西加奈子、重松清など14名の作家の名前が載っています。
14名の作家が、朝、夕暮れ、午後11時のどれかを選び、それぞれの「とあるひととき」を綴ったエッセイのアンソロジーです。ページをめくると、カラーのイラストがふんだんに使われていて、ぜいたくな作りの本でした。同じテーマで時間帯を3つに限定するというおもしろい試みに、興味をもちました。
これらのエッセイが、花王のウェブサイト「Kao Plaza」で読めると知り、パソコンで読んでみました。
すばらしい小説を書いている作家の手による文章ですから、どれもおもしろい。
そう感じると同時に、私が関わっている4ヵ所のエッセイ教室の書き手たちも同じくらいすばらしいエッセイを書いていると思いました。このテーマで、4教室で書いてもらい、1冊の作品集にまとめられないか。そんなプロジェクトが頭に浮かびました。
4つの教室は違う時間に違う場所で行われているので、互いに知り合う機会がありません。作品だけでも交流できたら楽しいのではないか、という思いもありました。
教室の事情もあって、すぐに横並びで書いてもらうのはむずかしく、半年以上かけて、それぞれの教室で書いてもらっているところです。合評を経て、推敲中だったり、これから執筆の人もいます。今のところ、「朝」のひとときを取り上げた人が一番多く、一番少ないのが「午後11時」です。締め切りのある話ではないので、ゆっくり進めていくつもりです。
先日、『おいしいアンソロジー おやつ』(大和書房 2022年8月)という文庫本を見かけました。「おやつ」をテーマにして、43名の新旧の作家の書いたエッセイが載っています。
おやつには、どの人にもいろいろな思い出がありそうです。次は「おやつ」でいこう。「とあるひととき」の原稿を集めている段階なのに、次のテーマは決まりました。