エッセイを本にまとめる(2)

~出版社との打ち合わせ~

いわゆる名のない者が書いたエッセイを本にまとめるためには、通常は自費出版を扱っている出版社に依頼する必要があります。一時期、自費出版の会社のトラブルを耳にしましたので、出版社選びには慎重を期す必要があります。 私の場合は、大学時代の友人が関わっている出版社で面倒をみてくれることになり、たいへん幸運でした 。

打ち合わせでは、どういう本にしたいのか、私の希望を聞かれました。
・ハードカバーではなく、やわらかい表紙の本(並製というそうです)。
・本屋に並べる必要はないが、本屋やネットで購入できるようにしたい。
・息子のイラストを入れたい(以前からときどき描いてもらっていたので)。
このような仕上がりがいいなあと思っている本があり、それは持っていって見せましたが、上記のことくらいしか考えていませんでした。

ところが、本を作るには、決めることがたくさんあります。
・本文のレイアウトをどうするか
  フォント、何文字×何行か、余白部分をどうするか
・装丁
  表紙やカバーのデザイン、それらの紙(最近のカバーは、つやつやとした光沢ではなく、紙の風合いを残したものが多いとか )
  見返し(表紙の裏と本文との間の色のついた紙)の色は? 
・本文の紙をどうするか
  色は(白やクリーム色にも種類がある)? 厚さは?
・印刷部数は何冊?
決めることは、まだまだあります。けれども、自分にこれという希望がないことに気づきました。本というものを、そういう目で見ていなかったのです。

すぐに決める必要があるのは、本文のレイアウトの何文字×何行にするか。持っていった本を参考に、38字×16行、タイトル用に6行開けて、本文を書きだすことになりました。その他のことは、私がいろいろな本を見て参考にし、自分のイメージを膨らませてから、また打ち合わせることになりました。

料金のことでいうと、
ページ数は、16の倍数だと紙の無駄がなく、安くなるそうです。それは、1枚の紙を折って折って……16ページを「折(おり)」という単位で製本するからだとか。また、表紙のデザインを誰に頼むか、どういう紙を使うか、などでも金額は変わってくるので、諸々のことがもう少しはっきりしてから見積もりを出してもらうことになりました。

2週間で自分の原稿を38字×16行でレイアウトしなおしてまとめ(そうすると分量的なことも見えてくるので)、編集の方に送ることになりました。

私の本に向かって動き出しました。続きは、「エッセイを本にまとめる(3)」をお読みください。