校閲
2023年8月の「今月の話題」でお伝えしたプロジェクトは、最終段階を迎えています。このプロジェクトとは、「とあるひととき」というテーマで、私が関わる4教室でエッセイを書いてもらい、1冊のエッセイ集にまとめる、というものです。現在(2024年3月)、印刷会社に入稿して、出来上がりを待っている状態です。
プロジェクトはこのように進んできました。
1 エッセイを書き、それぞれの教室で合評を受け、それを元に書き直す
2 その原稿をエッセイ集のレイアウトに直したものを見て、書き手は再度推敲する
3 並行して、編集担当の私が掲載の順番を考え、「あとがき」を書き、目次や表紙を作り、体裁を整える
以上の工程がほぼ終わり、原稿をすべて校了とする直前に、念のため校閲もしておこうかと思い至りました。
校閲とは「しらべ見ること。文書・原稿などに目をとおして正誤・適否を確かめること」(広辞苑より)です。今回の場合でいえば、エッセイに書かれている事柄に間違いがないかを調べるということです。ノンフィクションではないので、あまりガチガチに白黒をつける必要はないかもしれませんが、エッセイには情報としての役割もあるので、なるべく正しく伝えるという姿勢は常に持っていたいと思います。
今回の校閲のほとんどが、エッセイに登場する商品、店、山、神社、展覧会、番組などの名称や表記が正しいか、ということでした。現在はインターネットで多くのことを調べられるので、確認するのはずいぶん楽になりました。とはいえ、ネット上にはさまざまな情報が飛び交っているのも事実です。
確認作業は、可能なかぎり「一次資料」(大本の資料や元の文献)に当たりたいものです。
・商品名については、製造もしくは販売会社のサイト
・店名は、その店が運営するサイト
・展覧会については、展覧会の主催者のサイト
・山や神社は、地図もしくはそれがある自治体のサイト
・番組は、それを放映している放送局のサイト
が、一次資料の役割を果たしてくれると思います。
このような名前の確認ならネット上で完結しますが、データや歴史的なことであれば、ネット上で一次資料を探すのには無理があるかもしれません。図書館などを利用して本や資料を確認する方法も必要になりそうです。
今回の校閲で、名称の表記に間違いが2つ見つかりました。
・ある検査方法の名称には「濁点」が不要だった
・ある商品は、ずいぶん前に名称が変更されて、似ているけれど新しい名前になっていた
この2つを修正して、校了としました。