誌上合評集

4月に今月の話題「エッセイ集『とあるひととき』完成しました」でお伝えしたとおり、4教室合同エッセイ集の完成後、お互いの作品に対して感想を書いてもらいました。せっかく素晴らしいエッセイ集ができたので、読むだけでおしまいにしてしまうのは、もったいないと考えたのです。
数編ずつ担当して感想を書いてもらったのですが、それ以上に書いてくれる人もあり、私のエッセイ仲間から全体の感想なども送られてきました。これらたくさんの感想を、どうやって全員に伝えればいいでしょうか。
今の時代、pdfにして送るという方法もあるでしょうが、全員が同じ状態で見るようにするには、やはり紙がいいと思い、小冊子を作ることにしました。

冊子の構成としては、まずエッセイ集全体に対しての感想(13名から)、そのあとに、各作品への感想(1作品に対し少なくとも6名から)と筆者自身のプロフィール。作品の順番は、エッセイ集と同じにしました。
1ページ44字×18行で40ページ。読み応えのある冊子ができあがりました。
タイトルは、最初は「感想集」と仮題をつけていましたが、もう少しかっこいい名前をと考え、「とあるひととき 誌上合評集」としました。
あとは、わが家のプリンターで印刷して、中綴じ用のホチキスで留めて完成です。

さて、40ページ分の中身について。
知らない人の作品に対して感想を書くというのは、しかも書き手が読むことを踏まえて書くというのは、けっこうむずかしいことだと思います。どこまで踏み込んでいいのか、かといってうわべだけを褒めてもあまり意味がないし、と悩ましいところでしょう。けれどもどの方も、まず作品をしっかり受け止めて、褒めるところや感心したところ共感した点などを書いています。そのあと、気になるところを質問したり、こうする方法もあるのでは?などの提案や意見を述べたりしています。
毎月、教室で合評をしているだけのことはある!と感じる内容です。

その作品の読み取り方や心に響いてくるところが、読み手によってずいぶん違うことも見えてきました。
ある構成について、「自然な展開でいいですね」という意見、逆に「その展開には不自然さを感じた」という意見もありました。サラリと書いていていいと言う人もいれば、もっと深く書き込んでほしいと言う人もいます。作品の全体的な雰囲気を楽しむ読み手もいれば、もっと突っ込んだ内容を期待する読み手もいました。
こうした、正反対とも言える感想は、読み手がどういうエッセイを好きかということもあるでしょうし、読み手の関心がどこを向いているかにもよるでしょう。
どちらがいいというのではなく、書き手がそういう意見があるのを知って、自分はどう書きたいのかと再考する、それが大事ではないかと思います。

筆者のプロフィールも書くポイントがそれぞれ違って、その人らしさが出ているなと、全員を知っている私はにやにやしながら読んでいます。