エッセイVlog

ある本の著者プロフィールに、「エッセイVlog」という言葉がありました。
ブログはたしかBlogと書くはず。VではなくB。それなのに、Vlog と書かれている。誤植だろうか? 
ブログでエッセイを発信する人は多いけれど、エッセイVlogとはなんだろう?
さっそくネットで調べてみると、次のことがわかりました。

Vlogは「ブイログ」と読み、Video Blog(もしくはVideo Log)を意味する。ブログは文章で表現するのに対し、ブログを動画で表現したものがVlog。通常はYouTubeにアップされる。Vlogを投稿する人のことを、Vlogger(ブイロガー)と呼ぶ。
YouTuber(ユーチューバー)とのおおまかな違いは以下のとおり。
・Vloggerは日常や身の回りなど、普段の生活を動画にしたものが多い。
・YouTuberは、企画した内容が多く、また編集も凝っている。
Vlogの広がりは、2005年に開設された動画共有のプラットフォームYouTube、そしてカメラ付きのスマートフォンの爆発的な普及と共にある。

すでにご存じの方には不要な情報でした。失礼しました。
しかし、このVlogに「エッセイ」を足した「エッセイVlog」というカテゴリーは、新しいもののようです。「エッセイVlog」で検索してもあまりヒットせず、まだ少数の人が手掛けているだけのようです。

さっそく いくつかのエッセイ Vlogを見てみました 。
映像は家の中でのシーンが多く、飲み物を入れる、食事をする、本を読む、アロマキャンドルをつけるなどの場面が登場します。映像はどれも美しい。家の中も、おしゃれできれい。BGMにはゆるやかなメロディーが流れます。本人がばっちり顔を出す映像は少なく、横顔から、指先だけなど、角度を変えて撮影されています。
そして、気になるエッセイは、画面の下に、テロップのようにして、文章が出てきます。文章と映像の内容がぴったりマッチしているわけではなく、映像はどちらかというとイメージとして使われているようです。

エッセイを書く場合、文章だけでもけっこうな時間を要します。それなのに、撮影しそれを編集して映像を作成し、音楽も考えて、そこに合う文章を書く。時間もかかる大変な作業だろうと推察します。
エッセイVlogに書かれている文章は、あまり具体的ではなく、抽象的なものが多いように感じました。文章だけのエッセイでは、言葉だけが頼りなので、言葉でいろいろ書き込みます。映像と共に読む文章には、あえて具体性を抑えているのかもしれません。
文章を読むスピードは、人によって違うと思いますが、Vlogエッセイは、文章を読み終わっても、映像が次の文章に変わるまで待たなくてはなりません。つい早送りしたくなります。エッセイVlogは、映像・音・文章の三つがセット。文章エッセイとはまったく別のものと思って捉えることが必要のようです。

文章エッセイとの共通点も感じました。エッセイVlogも、見る人に何かを届けるために発信しているはずです。独りよがりで、自己満足に浸っていては、視聴回数も伸びないでしょう。共感を得る、感動してもらう、へえっと思ってもらう。相手に伝えたい思いは、文章もVlogでも同じではないかと思いました。