エッセイを本にまとめる(5)

本にするには、エッセイそのものをブラッシュアップすることも大切ですが、それと並行していろいろな作業も進めていかなくてはなりません。

イラスト
当初から、息子のイラストを本文の挿絵として使いたいというのが私の希望でした。内諾は得ていましたが、内容や枚数などの詳細を伝えなくてはなりません。
本に掲載する作品は50編で、その半分にイラストをつけることにしました。以前に描いてもらったイラストも再利用することにして、新たに20枚を頼みました。
エッセイの内容にある程度リンクした絵がいいので、こちらから「縄跳び」「三輪車」「ワイングラス」などと具体的にリクエスト。送られてくる下書きを見て、右側のほうがいいとか、これでOKなどとやりとりをしてから、しっかり書き込んだ完成版が届きます。社会人なので、休みの日などを利用して、1ヵ月半で書き上げてくれました。

カバーデザイン・表紙・本扉
本にかけるカバーは、イメージだけは最初から決まっていました。本文に使ったイラストを全体に散りばめたい。そう口で言うのは簡単ですが、どのイラストをどこに配置するか、向きや大きさをちょっと変えるだけで、仕上がりはまったく違ってきます。編集担当のSさんはデザインの腕もあり、見ているとわくわくしてくるような楽しいカバーを作ってくれました。
本のカバーを外して、本の表紙そのものを見ることはあまりありませんが、実はオシャレな表紙が隠れていることがあります。さて、この本ではどうしましょうか。カバーと同じようにイラストをちりばめるという案もありましたが、Sさんと相談して、イラストを1つだけ入れるシンプルなものにしました。
本扉とは、本を開いて、色のついた見返しの紙の次に現れる、タイトルが書かれているページです。ここには、見返しの色に合わせてブルー系でイラストを1つ入れることになりました。

「まえがき」と「あとがき」
エッセイ集を見てみると、「あとがき」だけの本が多いようですが、編集者Sさんに両方入れることを勧められました。タイトルが決まったら、「まえがき」でそのタイトルに触れて書くことにして、まず「あとがき」に着手しました。
「あとがき」の後半には謝辞を入れます。この謝辞が、意外と難しい。
エッセイの師や仲間への感謝はもちろんとして、家族への気持ちも書きたい。けれども、身内のことを書いたら、読み手はどう思うでしょうか。悩んでいると、音楽好きの夫に言われました。
「海外のCDには、クッキーを焼いて持ってきてくれてありがとう、みたいなことも書かれているよ。自分が感謝したいと思えば、それを素直に書けばいいと思うよ」
そのひと言で気持ちが軽くなりました。
他にも感謝を述べたい相手がいます。それは私のエッセイに登場してくれた人々です(私が勝手に登場させたのですが)。思い出を一緒に作り上げてくれた方々に感謝をしたいのです(どんな思い出でも)。また、その作品に姿が見えなくても、その背景には多くの人がいて、その人たちとのつながりがあって思い出はできあがっています。そういう気持ちを書き込みたかったのですが、長くなってもと思い、登場してくれた人だけへの謝辞になってしまいました。
こういう思いをもってエッセイを書いていたことに、謝辞を書く段になって気づいたのでした。